ロキソニンS、という2011年に発売されて、市販薬の分野で大ヒットになった商品があります。
医療用に使用されていた超有名な解熱鎮痛剤、ロキソニンのOTCバージョンです。

医療用では最近のジェネリックブームに押されて来ていたので、市販薬の分野に切り込んだのでしょう。
それまで市販されていた製品と比べて、効果は強力な事と、12回分648円という安価さが受けて、OTCでは稀にみるヒット商品になり、発売から4年間で3600万個程売り上げた様です。

さて、発売から4年が経ち、他のメーカーからもロキソプロフェン含有の痛み止めが発売されるようになって来ました。
発売元の第一三共としては、次の一手を打ちたい所ですよね。

そこで、「ロキソニンSプラス」という新製品が発売になりました。どういった製品なのか少しみて見たいと思います。

ロキソニンSプラス
第一三共ヘルスケア株式会社
希望価格698円(税抜き)

成分:ロキソプロフェンナトリウム 60mg
   :酸化マグネシウム 33.3mg
使用法:1回1錠 1日2回まで(最低4時間の間隔をあける事)

なんだか「プラス」という言葉のイメージからは作用が強くなるようなイメージがあるのですが、鎮痛剤としての主成分の量は全く一緒です。
違ってくるのは成分では酸化マグネシウムだけですね。
・・・33.3mgは少ない気もします。

製剤としては、錠剤は小型化されてより服用しやすくなりました。

この酸化マグネシウム、というのがどの様な作用をもたらすか、というと単純に胃酸の中和です。
ロキソプロフェンの副作用として胃腸障害が挙げられますが、胃への負担を軽減する為に、少量の制酸剤が加えられているようです。

医療用では便秘薬としても使う酸化マグネシウムですが、便秘に使用する時には最低でも1錠250mgは入っていますので、少な目の制酸剤を入れて、胃への負担を少し軽減した、といった所でしょうか。

酸化マグネシウムの量的には、そこまで大きな差が出てくる訳でもなさそうな処方ですので、胃の状態がより気になる人は専門の胃薬を一緒に服用する事をお勧めはします。
ロキソニンSで最も現れやすい副作用は胃腸障害だと思いますので・・・。

本来ならばもっとしっかりとした胃を守る成分を配合したかったのでしょうが、効果の高い成分を配合するとその分価格が高くなってしまう為、価格競争の面も考えてなるべく低価格で胃の負担を少しでも軽減したい、との考えからこういった処方になったのでしょう。

ちなみに注意点も増えています。
酸化マグネシウムが追加された事により、一部の抗生物質など、飲み合わせに注意が必要な薬も増えました。

ご利用の際には薬剤師への相談がより重要になってきますね。